8月30日は、神戸の三宮まで、セミナーを聞きに行ってきました。国が、まだ、詳細を示さない中、段々わかりつつある内容ではありますが、今回のセミナーは、事業所を対象でしたので、ケアマネ対象の東京で聞いた白澤政和教授のセミナーを更にリアルに踏み込んだ内容でした。名古屋は、やはり、遅れており、このような国の動向を先読みしたセミナーは行われておらず、この数か月先でも開かれる予定もなく、この違いにも驚かされます。
セミナーの内容は、今後の介護保険を取り巻く状況についてをはじめ、介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律について等、ひとつひとつ掘り下げて学んできました。国は、施設から在宅介護へと方針を変え、地域のコミュニティーが保たれ、更に効率の良いサービス提供のために、医療と介護の連携を図るべき、改正を行いました。重度の在宅介護者の受け入れができるよう、方向性を示してきました。
にもかかわらず、介護職員処遇改善交付金も来年3月で終了する可能性が大であり、介護報酬も下がることが予想される中、痰の吸引や経管栄養などが介護福祉士でもできるように、介護福祉士は、「医療行為研修カリキュラム」を50時間プラス実地研修を実施するなど、時間と費用をかけて受講し、登録をしなければならないことになりました。事業所は「医療行為認定事業所」としての登録が必要になり、医療行為をできるようにするかしないかの選択は、事業所、介護福祉士ともに、自分自身にあるというものの、ともに、登録をしなければ、利用者さんの受け入れもできなくなるという、何とも、生首を取られたような改正内容であるとも言えます。
しかも、6月の個人質問でも、発言させていただきましたが、中学校区に一事業所しか認可されないなど、一見、聞こえがいいのですが、早いもの勝ちで、実は、利用者様の囲い込みの何物でもなく、利用者様からしてみれば、そこの事業所とそりが合わなかったとしても、事業所を変わることもできず、介護保険制度の基礎基本である「措置から契約へ」というサービスの選択の自由が奪われるといっても過言ではないように思われます。逆に、事業所にとっては、「今、参入しないと、もう二度と、入れませんよ!」と言わんばかりの条件をつけており、飴とムチを使い分けているようにさえ思えてならず、国が一方的に、ケアする側と利用者様に不利な条件を押し付けていくという狙いの内容で、がっかりさせられました。
今まであった「介護療養型医療施設」は結局、廃止後の利用者様の受け皿がないため、平成30年まで延期されました。また、高齢者専用住宅(高専賃)、高齢者円滑入居住宅(高円賃)、高齢者優良住宅施設(高優賃)などは、高齢者住まい法の改正に伴い、新たに創設される「サービス付き高齢者住宅」へと変更されることになりました。これも、また、一階に事業所が入り、そのマンションに入居している方のサービスを担っていくというもので、介護を取り巻く環境が大きく変わることは間違いがないといえます。
介護職員のみなさん!めげないで、頑張ってくださいね!
私も、現役で月に1日から3日ほど、現場で、入浴サービスやトイレ介助等をさせて頂いています。政治の世界にはない癒しが介護の現場にはあり、素の自分でいられる時間でもあり、毎回、利用者様より元気を頂いて帰ってきます。